うどんについて

先日、香川県に行った際、久々に本場のさぬきうどんを食べた。お昼時でかなりにぎわっていたからきっと人気店なんだろう。
僕は数年前に坂出市にあるうどん工場の取材をしたことがあり、その時に香川県におけるうどんの立場?というものをいろいろと教えていただいた。 そこでなるほどと思ったのは、香川県ではまずいうどん屋は存在しないということ。なぜならこのうどん王国では、まずいうどん屋があろうものなら3日で客足が途絶えはじめ、ほどなく町中にあの店はダメだとの噂が蔓延し、やがて経営難に陥り消えてゆくのだという。それほどきびしい香川県民の監視下に置かれているとのこと。まるでうどん界における共産主義的世界だ。というわけでお店の方たちはとにかく香川県民の納得がいくように日々努力されておるんです、とその工場の方たちはとても誇らしげに声をそろえて言っていた。
 
僕は小学校1年生まで高松に住んでいた。僕が通っていた屋島麓の幼稚園のすぐ近くには「わらや」といううどん屋があり、何度行ったかわからないくらいそこでうどんを食べていた。メニューには釜揚げうどんしかないため、僕のうどん好きの原点はこの「わらや」の釜揚げうどんということになる。
確かに美味かったけれど、このお店が香川におけるさぬきうどんの名店だということはずいぶん後になって知った。知らず知らずに最高峰の味を覚えてしまっていたのだ。幼稚園である僕の目標はこの釜揚げうどんのゆで汁まで飲み干すということだったが、それは5歳のとある日曜日に達成した。生まれて初めて達成した目標がこんなのでよかったのだろうかと今では思うけれど、それほど「わらや」のうどん、すなわちさぬきうどんは美味かったのだ。
 
あれから40年、九州にやってきて27年になる。そして先日行った香川のさうきうどんを食べながら僕はこう思ってしまった。
「牧のうどん」のほうが美味いじゃないかと。
気のせいかもしれないと思い直してみたけれど、うーん、やっぱり「牧のうどん」が勝ちだ。確か福岡にやってきた18の頃は福岡のうどんってイマイチだなあと思っていた。僕は高松に住んでたんだからね、とかなり上から目線で福岡のうどんをはるか下の世界に見下ろしていた。えらそうですね。それが今では本場のさぬきうどんより美味いと思うようになった。
これはもはや僕は九州の人となり、ようやく博多のうどんに目覚めたということなのだろうか、それとも博多うどんが僕を認めてくれたということなのか、そしてこれは成長というべきものなのだろうか。
 
福岡に戻ってさっそく「牧のうどん」へと行ってみた。
やはり先日食べたさぬきうどんより美味いと思う。しかもものすごく美味い。こんなに美味かったっけなあと思いながらなかなか減らない太い麺をすする。今宿店では店内にいつも昭和歌謡曲がかかっているのだが、これも美味いという空気を演出しているように思えてくる。先日は入った時になぜかドリカムがかかっていて、ちょっとこれは違うんじゃないかなあと思っていたら次の曲は西条秀樹の「ヤングマン」だった。ホッとしたこの安堵感。さらにうどんが美味く思えてくる。
  
 うどんの話ばかりで何で波の写真なんだと思われるでしょうが、牧のうどん今宿店で食べたあとによく糸島の波を撮影に行きます。この写真はつい先日、牧のうどんでいも天うどんを食べたあとに撮影したものです。あのうどんの美味しさを荒々しく波で表現したともいえる一枚です。ウソです。
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この記事へのコメント

AkinobuT
2017年02月12日 13:35
きっと
出汁がシッカリしてるからでしょう
麺は讃岐
出汁は博多
これがミックスすると世界一のうどんの完成だと思います。
かわかみ
2017年02月12日 14:49
ミックスうどん
なるほど!

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