SKY WINDOWS

飛行機に乗って窓側に乗るとずっと外を見ていることが多い。
普段見られない風景が広がっているというのはもちろんだけれど、一瞬に過ぎ去ってゆく光景といいうのは何やらいとおしさを感じてしまう。それが写真として残ってゆくというのは、そのいとおしさを形に留めたような不思議な気持ちになる。これはとても刺激的でもある。しかも今は離着陸の撮影が大丈夫になったので、真っ暗の夜や本を読む以外は最初から最後までずっと眺めていることもある。
 ずいずん前のことになるけれど、飛行機でそうやって窓に張り付いていると客室乗務員(当時はスチュワーデスさんだったけど)の方がやってきて、「お客さんはよほど飛行機がお好きなようですね」と声をかけられ、飛行機のおもちゃをいただいたことがあった。子供に差し上げるものだったらしいんだけど、もう30を過ぎていた僕にプレゼントしてくれたのだ。それがうれしくて、そのおもちゃをずっと手に取っていた。すると再び同じ方がやってきて、「よかったらこれもどうぞ」と言って、乗っている飛行機の写真が写っているハガキをいただいのだった。そこには手書きで日付、時刻、便名、飛行機の種類、そして今の高度が書かれていた。これは決して忘れられない大切な思い出だ。福岡発千歳空港行きのJALでの出来事だった。それ以来僕はJAL好きだ。できるだけ飛行機はJALに乗るようにしているし、マイルももちろんJALだ。数年前、雑誌の連載でJALさんと仕事することがあったのだが、一応担当の方にお礼を申し上げた。何やらピンとこない様子だったけれど。
 今回の仕事もJALで福岡~羽田~青森 青森~伊丹~福岡を飛んだ。窓側ではなかった便では読書も楽しめたけれど、窓側の便ではやはりいとおしい光景の数々を写真に留めてきた。
 飛行機は数十秒後に福岡空港へ着陸するというそのとき、眼下に海の中道が見えてくる。この光景を見るとあー帰ってきたなあと思う。この日は砂浜沿いに波が美しく模様を描いていた。三苫海岸あたりだろうか。この場所が波の高いサーファーのスポットということは知っているけれど、この波模様を飛行機で俯瞰するにはもちろん初めてのこと。高度が低いため一瞬で過ぎ去ってゆく。帰ってきたなあという思いといとおしさ、そして新鮮な驚きがまさに波のように混ざり合う。
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