シャッター音を傍らに ー川上信也撮影日記ー

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zoom RSS 白い虹と出合ってから

<<   作成日時 : 2016/10/05 11:44   >>

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白い虹に遭遇した。
南阿蘇での朝、高台からの撮影を終え、薄い雲海の中へ入っていったときのこと、田園風景を見渡すとうっすらと白い輪ができていた。太陽が顔を見せ、雲海が風と共にどこかへ去りはじめ、青空が見え始めたころに見える白い虹だ。
この白い虹に遭遇するのは6回目くらいだろうと思う。初めての遭遇はくじゅう坊がつるでのこと。この日も今日と同じく坊がつるにガスが舞い、青空が見え始めたときだった。とある写真集で尾瀬に白い虹が出現するということは知っていたので、もしかすると似たような条件である坊がつるでもと思っていた矢先に出合ったのだった。最初はぼんやりとよーく見ないと分からない程度なのだが、光の関係だろうか、ときどき虹の足もと(というのかな?)がはっきり見え始めたり、上の部分が消えたりと、様々な状態を繰り返してゆく。どういう原理で白い虹になるのかは知らないけれど(知らない方が神秘的!)、出合うたびに不思議な気分になる。どこかへの入口のような不気味さもあり、それ自体が何かを伝える生き物のようにも見えてくる。自然の優しさを垣間見たような気分にもなるし、いろんな感覚が白い虹の前で僕の心を動かしてゆく。
 坊がつるで出合った白い虹の写真は、その後2004年に出版した写真集「くじゅう万象」にも掲載している。改めて見返してみると、その写真の隣に僕の短いコメントがあり、
「自分自身も自然の一部なんだという感覚を得ると、自然は寛大なる心をもってありのままに姿をさらけ出してくれる」
なんてことが書いてある。当時の僕は30歳くらいだったと思うんだけど、何を悟っていたのやらと思ってしまいますね。山小屋生活を5年続けたあとだったので、もしかすると今よりとても純粋に自然と向き合っていたのかもしれない。
 この日は南阿蘇のいたるところで白い虹が見られた。おそらくその気になって見ていないと気付かずに通り過ぎてしまうだろう。白い虹と出合うたびに、なんてことのない風景もじっくり観察すれば思いもよらぬ発見があるということを教えてくれる。いわば白い虹と出合ってからそういう気持ちを大きくしながら作品を撮り続けているのかもしれない。もしかすると何かのターニングポイントに合わせて僕の前に出現してくれているのではないかとさえ思えてくる。
坊がつるで出合った時は山小屋生活をそろそろやめにしようという時期であったし、阿蘇で出合った時は体調も悪く、そんな中で新しい写真のテーマに向けてあれこれ迷い続けている時だった。今回はメインカメラを新しくして、まさに新たな気持ちで南阿蘇を撮影している最中だった。この南阿蘇という被災地で出合った白い虹は、新たな写真集でも重要な一枚になりそうだ。
これこそ「自然の寛大なる心」なのかなあ。 次に出合うのはいつなんだろう。
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